蛍光色に塗り替えられたヒンドゥー教の聖地「バトゥ洞窟」
「バトゥ洞窟」って?
19世紀の後半に開かれたヒンドゥー教の聖地である「バトゥ洞窟」。
ここは、マレーシアの首都クアラルンプールから車で30分ほど離れた郊外に位置し、マレーシアの文化遺産に指定されています。
洞窟のほとんどが石灰岩で形成されています。その石灰岩は、約4億年前のものだと言われている壮大な文化遺産です。
2018年8月31日に、12年に1度の行事があり、それに先立ち改修工事が行われました。その際の“塗り替え問題”によって寺院の改修委員会と政府が対立しています。
バトゥ洞窟が無許可で蛍光色に
バトゥ洞窟は、写真のような岩山にある大きな洞窟のことです。
洞窟に入るためには272段の階段を上らなければなりません。
勾配も優しくなく、上るのは大変ですが、上がった先には巨大鍾乳洞があったり、郊外を見渡せたり、高さ100Mにあいた穴から空を見上げたりすることができます。
以前までこんなに落ち着いた寺院でしたが、なんと、2018年夏に、鮮やかな蛍光色のグラデーションに塗り替えられてしまいました!その写真がこちら。
細かい装飾まできれいに塗られています。
非常に手が込んでいますね。
私は蛍光色に塗られる1年前にここを訪れていたので、この写真を見て非常に驚きました・・・。
正直、「インスタ映え」には持ってこいの建物になりましたね。
しかし、文化遺産をこんなにもカラフルにしてしまって、寺院関係者や国は何も言わないの?と気になっていました。
そう考えていたらやはり、文化遺産を管轄する政府機関と塗り替え工事を行った寺院の改修委員会との対立が起きていました・・・!
“カラフル塗り替え問題”の対立はどうなるのか
マレーシアの文化財保護法では、文化財に指定された建物の改修等の工事をする際には文化遺産を担当する文化遺産局(JWN)への届け出と許認可が必要であるとされています。
しかし、寺院改修委員会は、「文化遺産に指定されているのは寺院であって、そこに至るための階段は遺産に含まれていない」と主張し、許認可が必要な工事ではなかったと反論しているそうです。
これに対してJWN側は「文化遺産はその周囲の建物・景観等を含めた全体である」と主張し、今回の改修工事は無許可の塗り替えであり、法律違反の可能性があるとしています。
政府の動き次第では、再び元の灰色に塗り替えることもあるかもしれません。
日本では絶対に見られないこのカラフルな寺院を見れるのは今しかないですね・・・!
バトゥ洞窟への行き方は?
クアラルンプール国際空港からは、タクシーで1時間ほどかかります。
クアラルンプール市内からは30分程度で、料金は30リンギット(約800円)ほど。複数名で行くのであれば、そんなに痛い額ではないので、タクシーで行くのも悪くないと思います。
しかし、ぼったくられる可能性もあるので、電車を使うことをお勧めします。
「KLセントラル駅」というクアラルンプール市内の大きな駅から終点の「ButuCave(バトゥ・ケイブ)駅」まで行きます。バトゥ洞窟はそこから歩いてすぐです。
料金は往復でだいたい5リンギット(約150円)で、激安!
ただ、昼間は本数が少なくかなり待たないと電車が来なかった記憶があります。時刻表を調べてから行けば、待ち時間で疲れることなく観光できるでしょう。
塗り替えられる前の荘厳な雰囲気も良かったですが、塗り替えられてからも一層面白みが増して魅力的な観光地になったと思いますので、一度訪れてみる価値はあると思います。マレーシアに行った際にはぜひ行ってみてください!
地図
詳細情報
入場料 | 無料 |
営業時間 | 8:00~19:00(現地時間) |
予約要否 | 不要 |
休業日 | 無休 |
所在地 | Gombak, 68100 Batu Caves, スランゴル マレーシア |